自重しなさいと神の声が聞こえた気がした木曜日。2009-05-22 Fri 00:05
仕事終わって道を歩いていると知り合いからメール。
というかキヨこと山口清裕からメール。 「ブログ、たまには奇麗事を書いてくださいよ(笑)」 くそ、小生意気な……奇麗事なんか書いたら、綺麗すぎて俺が溶けてなくなってしまうではないか。 とりあえず 「くくく…そうやって汚物を見るような目で俺を見るがいい(笑)」 と気持ち悪さ30%増しで返信。 そっから普通にいつものお誘い(主にモンハン)になったんですが、せっかく言われてしまったのも神の啓示。 たまには奇麗事を書いてみようかと思います。 奇麗事に弱い方、心が汚い方、朝方の太陽の光を見ると 「と……溶けるぅぅぅぅぅぅぅ!!(さらさら)」 という遊びをやらずにはおれない性格の方は、心に傷を負う可能性がありますので、各自の責任で閲覧してくださいw ちょうど昨日、本屋さんでの話を書いたので思い出したんですが、数年前まで僕はとある本屋さんでアルバイトをしていました。 夕方からのシフトだったので雑誌の陳列等、開店準備はしたことなかったんですが、それ以外にも仕事はたくさんあり、毎日へとへとになって帰る日々。 特に接客態度にも力を入れている店で、新人さんが入って来ると「間島さんの接客見ときなさい」とか言われる立場になったりもしましたが、まぁそれは僕の職業柄仕方がないというか当然というか、とにかくそういう話。 人前で話すのはさすがに慣れてますからねぇw その本屋ではけっこう長く働かせていただいてたんですが、僕等の仕事(声優の方ですね)はギリギリだと12時間前とかに仕事が入る事もあったりする業界。 そこまでギリギリは滅多にないですけど、まぁ事実過去にあったのでないことはないわけで。 今までもシフトの融通が利くバイト先を選んできたんですが、ここのお店の場合店長さんがとても理解のある方だったのもあるんですが、他にもちょっとした特殊な事情があって、長く働かせていただいてました。 その事情、それは『読み聞かせ』。 だいたい月に一回、子供たちに絵本や紙芝居を、目の前で読んで聞かせてあげるイベント(?)を店内で行っていたのです。 それも手伝うのを条件に、シフトを調整させていただいた部分もあるんですね~。 さすがに仕事の関係もあったので毎回確実に参加出来ていたわけではありませんが、それでも何度か(何度も?)お手伝いさせていただきました。 実際いろんな思い出がありまして。 夏に『かわいそうな象』という絵本の読み聞かせをやったときには、子供達だけではなくお孫さんと一緒に来ていたおばあさんをガチで泣かせてみたり。 同じくらいの時期に「ホラー特集」と称して、スタッフそれぞれ怖い絵本を用意して読んだこともあったんですが、僕が 「今日は『フランケンシュタイン』を読みまーす」というと、オマセなお子様が 「あー、それ知ってるー(ぷくく)」みたいなテンションで食いついて来るわけです。 結構いるんですよね、こういう会をやると、目立とうとしていろいろ話に食いついて来てくれる子。 それを見ておもしろがってしまう僕もアレなんですが、本気出してかなり怖めに読んであげたら、最終的には 「もぅ……おぅちかえるぅぅぅ……(涙)」 みたいな状態になってましたw お話知ってるって言うから、知ってても楽しめるようにサービスで過剰にやって上げたんですが…ちょっと本気になりすぎましたw でも子供ってスゴく素直で、ちゃんと読んであげるとぐいぐい物語の世界に入り込んでくれるんですよね~。 読み始める前はおしゃべりしっぱなしですごくざわついてたのに、読み出して数ページ進むと、みんな静かになって食い入るようにこっちを見てる。 またこの読み聞かせ、基本的には一人で物語を演じることになるので、ナレーションから主人公から、おじいさんおばあさん、イヌやらウサギやらタヌキやら、果ては鬼やら敵役まで、とにかくとんでもない数のキャラクターを演じ分けなければいけないわけで。 …いや、いけないことはないのかw でもやっぱ職業柄というか、同じキャラ(声)で喋るのはプライドが許さないので少しずつでも変えて読んでたんですが、そういうのもやってる側としてもすごく勉強になりました。 で、読み聞かせをやってる最中、周りで子供達を見てらっしゃるお母様方にアンケート用紙をお配りして、今後の参考に意見をお寄せいただいたりもしてたんですけど、大半が「クセっ毛の店員さんの読み方がお上手で参考になりました」みたいな意見。 たぶん、おうちで子供に絵本読んであげる時に、なかなか子供が聞いてくれなくてお困りなんでしょうねw でもクセッ毛は余計だw 冷静に考えてみりゃ、身近に役者でもいない限り本気で芝居しながら子供に絵本読む光景なんてなかなか見る機会ないですもんねぇ。 まぁ思いっきりその店の制服着て、その後普通にレジ打ってたりしたんで、お母様方はまさかそのクセッ毛の本業が声優だとは思わないでしょうがw いつも思う事なんですが、お芝居をしていく上で一番大事なものって、感情が乗ってるとか滑舌がいいだとか、そんなことではなくて。 「それを聞いたお客さんが、どう思ったか」だと思うんです。 上で言ったような、感情や滑舌はプロなんだから「出来て当たり前」のもの。 芝居はカタチがなくて、自分の価値なんてものは受け手の評価に頼るわけですから、初めに意識しなくちゃいけなくて、最後まで意識してなければいけないのは「お客さん」だと思うわけです。 アニメに声を当てたくて入った業界ですが、声優である前に役者の端くれ。 読み聞かせにしても舞台にしてもそうですが、やっぱりこうやって生で、目の前でお芝居をする機会っていうのを作ることが、役者として成長する近道であり、そういう目の前のお客さんの反応、声が、僕等の一番欲している報酬なんだと思います。 特に今回語った読み聞かせでの経験。 アニメーションはそもそも『子供達のもの』であったはずで、時代やニーズが変わっても根本に流れるスタイルや精神は、ここにあるはずなのです。 その、僕等が子供の頃に憧れた職業に就いて、アニメじゃなく読み聞かせではあったけど、子供達の前でお芝居をして、生で子供達の反応を見れたこと。 これが、このバイトをしていて一番勉強になったことでした。 まさか生活のために始めたアルバイトで、役者としての根本を教えられるとは思ってもみませんでしたがw 今でもこのときの気持ちは、僕の中で息づいています。 ぅわー超マジメ。 俺きもーいw スポンサーサイト
想い出
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