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マジP!

間島淳司の日常をプロデュース!!

失せもの注意

ある日のこと。
夕方からの予定だったので昼過ぎまで寝てると、突如携帯の着信音が鳴り響く。


寝ぼけ眼のまま携帯の液晶を見てみると、そこには『川原慶久』と表示されていた。

ここ最近は星を見に行ったり遊びに行ったりと、なかなかにアグレッシブになりつつある彼からの着信。
「また夜辺りからドライブがてら星見の誘いかな」などと思いながら電話を出ると……聞き慣れない女性の声。

ここで一旦脳内はパニックに。
”あの”川原さんからかかってきて、電話の向こうから女性の声がする。
夜の電話なら『呑み会のノリなのかな』とある種納得のいく内容を自分の中で用意する事も出来るが、今はまだ昼。
いくら彼が変わり者だとはいえ、こんな時間から呑んだくれるような男ではない。

じゃあまさか、声を作っている?

一瞬職業の事が頭に浮かびその可能性も考えるが、即座に否定する。
聞いたらわかることだが彼の地声は普通の男性よりも低い。
いくら高い声をひねり出したところで男性の出す高音にしかならず、寝起きでボケている頭であろうとも、その声を女性と間違える事はあり得ないだろう。

そもそも携帯電話とは一人一台持っているもの。
液晶に表示された名前以外の人物の声が聞こえて来るという事、それ自体がすでにおかしいのである。


寝起きの頭で必死に状況を理解しようとするもそううまくいくわけもなく、与えられた情報は少ないのに脳内で構成した情報だけでもうパンクしそうになる。


こうなってしまっては、もう考えても埒があかないのは明白。
一度今ある情報を受け入れ、手持ちのカードを増やしてから考察した方が利口というものと判断、電話の向こうの謎の女性と会話をしてみることにする。

「あの…もしもし?」
『あ、もしもし、この電話の持ち主のお知り合いの方ですか?』

口ぶりから察するにこの女性は僕の事を知らないらしい。
いや、それどころか川原さんのことさえ知らない可能性が高い。
たったこれだけのやり取りでも得られる情報は意外と多いものである。

持ち主のことを知らない見知らぬ女性から、誰かを理解しないままかけられて来た電話。

導き出される結論はおおよそ一つしかない。
むしろ気になるのは「なぜ僕が選ばれたのか」ということだ。
だがその疑問もすぐに解消される事になる。

『実は四ッ谷でこの携帯を拾いまして、履歴の一番上の方にかけたんですが』

ほらね、必要な情報というのは意外とすぐに手に入るものだ。

「あぁ、そうなんですか…すみません」
『それでこの携帯を水道橋の駅に届けておくので、持ち主さんに伝えていただけますか?』
「わかりました、わざわざどうもありがとうございます。すみませんでした」


電話終了。
「四ッ谷で拾ったのになぜ水道橋に届けるのか」という若干の疑問は残ったが、きっとホームで拾って駅員のいるであろう改札に戻るのが面倒だったのだろう。
そこは深く考えないことにする。
あとは「携帯を落とした川原さんに、どうやって連絡を取るのか」という問題が残っているが、これはいろいろ手を尽くした結果、きちんと本人に伝える事が出来た。

後日聞いた話によれば、翌日水道橋の駅に取りに行き事なきを得たということだった。





……ダメだそろそろ限界w
たまには気分を変えて堅い書き方でもしてやろうかと思いましたが、思ったよりもしんどいですねこれw
世の小説家・作家さんはすごい……

にしても拾ってくれた女性がホント良い人でよかったですよねー。
都会の人間は冷たい、なんて言いますけど、携帯拾ってただ届けるだけじゃなくて履歴から連絡を取って、それから届けてくれるなんて、実に聡明な方だったんだろうなーと思います。
他の物だと難しいかもしれませんけど、携帯ならそのもの自体で連絡は取れるわけですし、履歴の一番上ってことは「最近連絡を取った相手」ってことですから、頻繁に連絡を取ってる可能性も高い。
本来ならプライバシーだのなんだのといろいろありますからあまり「中を見る」のは望ましくないかもしれませんけど、こういう状況なら話は別。
届ける前に伝えてあげれば無意味に探しまわることもなくスムーズに探す事も出来るわけですし、ホント賢いやり方だなーと思いました。

後で川原さんに聞いたら、なくしたのに気付いてすぐに携帯を止めたそうなんですが、その間は約30分。
彼からしたら「携帯を止めても、たった30分の間にもう連絡されていたことが、ある意味怖い」と言っていましたが、それもたしかに…というのも感じました。
今回はたまたますごく良い方に拾われていたからよかったものの、もし悪い人に拾われていたら…と思うと不安にもなりますよね、そりゃ。
特に僕らの場合人気者な人々の連絡先とかも入ってたりしますし、自分だけでなく周りの人に迷惑をかけてしまうことにも繋がりかねない危険な出来事。
いろいろ考えさせられました。






ま、一番気になったのは「川原さんの履歴の一番上が僕だった」てことですがw
たまたま…だと信じたいw
また仲良しだと思われるじゃないかw
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