現代の錬金術師2011-01-16 Sun 00:42
無から有を生み出す。
『出来たらいいな』とは思うもののなかなか出来ないことですよね。 なにをするにも材料は必要なわけで、そこになんらかのカタチ・エネルギーを使って加工を加えることにより、新たなものは誕生する。 簡単なもので説明するならば、料理。 冷蔵庫に眠っていたであろう食材たちを、調理器具やコンロの火、レンジ、様々なモノで加工することにより『食材』から『料理』に変化するわけです。 例えば水。ウォーター。 『水』という材料に『熱』というエネルギーを加えて状態変化させることで、水、氷、水蒸気と形を変えます。 もっと細かいものでいうなら元素。 例えば炭素。 そのままではただの炭素原子ですが、なにか別のものと結合することによって一酸化炭素や二酸化炭素、1000万種を越える化合物になることが出来るし、炭素のみでも結合状態が変わることでグラファイトやダイヤモンドなど、多様な形をとることが出来ます。 でもどれも必ず、もととなる『材料』が必要なのです。 それだけ『無から有を生み出す』ということは難しいことであり、不可能に近いことであるということです。 某有名な錬金術の考えの根本にも『等価交換』なんてものがあるくらいですしね。 質量のあるもので考えるとどうしても無から生み出すのは難しいことのように感じます。 それこそ神の領域に達しないとなかなか難しいことのように。 では質量のないモノ…概念とか思考とかであったらどうでしょう? ヒトは様々なことを考えます。 それこそ十人十色、千差万別、一人ひとりが同じものを見てもまったく違う印象を抱く、なんてこともザラです。 分かりやすく『犬の鳴き声』といっただけでも、世界各国でその鳴き声は違う『音』として表現されます。 日本では『ワンワン』、アメリカでは『バウワウ』といった具合に。 この場合は『鳴き声』という材料をみんなが判断して違う表現になってる気がしますが、限りなく『無から有を生み出す』に近い気がします。 言語の中にこそ錬金術の礎となるナニかが眠っているような気さえしてくるから不思議です。 僕は様々な表現、様々な言葉の中で『無意味』なものにさえ音や言葉を当てていることがすごいことだと思うのです。 例えば『シーン…』。 「耳に痛いほどの静寂」なんて言い方もありますけど、静寂ってことは音がない状態なわけで、でもそういう状態のことを「シーン…」と『音』として表現する手段があり、それが世間に認知されている。 ある種の『無から有を生み出す』例だと思うのです。 もっとすごいことは、人間は意味がわからなくても「そういうものだ」と思ってしまえば特に疑問に思わなくなること。 超有名な歌『クラリネットをこわしちゃった』ってあるじゃないですか。 その一節「オ パッキャマラド パッキャマラド パオ パオ パン パン パン」。 子供の頃はそう教えられて普通に歌ってたけど、冷静に考えればとんでもなく意味のわからない言葉なわけで。 前後から考えても、買ってもらったクラリネットを壊しちゃって音が出なくなって困り果て 「はわわわ……」となっている状態なわけで。 この流れから「オ パッキャマラド」が出てきたら完全な錯乱状態かおばあちゃんあたりから教えてもらった心を落ち着かせる呪文としか思えません。 実際には元の歌詞のままだそうで、フランス語(au pas camarade, pas camarade, pas au pas au pas pas pas)なんだそうですが。 意味はざっくり言えば『友よ共に歩こう』といった意味。 それはそれで前後を考えると突拍子も無い歌詞に思えますが、日本に入ってきたときにまったく違う意味の歌詞をつけたことと、なぜかサビだけ元の歌詞が残ってしまったことでこんな不可解な歌が出来上がってるわけですが、それを気にすることなく受け入れてたんだから人間ってヤツはすごい。 でもまだこんなもんじゃない。 コレは『組み合わせの妙』であって、『無から有を生み出す』わけではないから。 僕が真に「すげぇ…」と思うのは、この言葉。 「アッチョンブリケ」。 すごくないこれ?w 元々は手塚治虫先生のブラックジャックのキャラクター・ピノコが創った言葉。 遠まわしな言い方ですが手塚先生が考えた言葉ってことですねw ざっくりいえば…まぁ「びっくりした」って表現になるんでしょうか? でもだったら「ぅわ!」とか「びっくりした!」でいいわけじゃないですかw 作中でもピノコが言った後にブラックジャックが「なんだいそりゃあ?」と聞き返すシーンがあるとかなんとか。 まぁ漫画的なギャグみたいなもんなんでしょうが、この言葉ってものすげーと思うのですよ。 言った(使った)当時はそれこそみんなブラックジャックのように「なんだいそりゃあ?」と思うわけでしょ? でも今みんな知ってる。 なんだったらブラックジャックちゃんと見たことない人でも、この言葉だけは知ってたりする。 でも言葉自体はまったくの無意味。 語源もへったくれもない、完全に『無から生み出された言葉』なわけです。 この凄さ……わかるかなぁ?伝わるかなぁ?w 調べてみると子供の頃の手塚先生が使っていた言葉だそうで、語感が良かったからマンガに採用したんだとか。 子供の頃の方が、大人になってからよりもずっとクリエイティブなのかもしれませんね。 …あれ、これなんの話?w あっちょんぶりけ!!w スポンサーサイト
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