写りしそのいろは2011-07-13 Wed 00:11
インターネットでおもしろい問答を発見しました。
『鏡って何色なの?』というもの。 実際何色だと思います? パッと目に入ったときの色は銀色にも見えますが、水の表面やガラスにも姿は写るわけで、だとしたら水やガラスは透明ですよね? 色、という概念で表そうとすると無理がある問題なのかもしれませんけど、『鏡色』という概念が無い以上それに近い色は必ず存在するはず。 わかんないときはそのものの「本質」を理解しよう、ということで鏡を調査。 そもそも鏡とは? モノが見える、ということは物体の表面に光が反射・屈折することで起こる現象。 見えるモノ(鏡)の表面に別のモノが見える、ということはつまり…… 簡単にいえば『眼に見える”光”を反射する物体』ということになります。 その「光を反射する物体」を人為的に創りだしたものが、一般的に鏡と呼ばれる物体。 造り方を知れば真実が見えるかもしれない、ということでその製法を探ってみます。 かつての鏡は、金属板を磨いて磨いて磨いて…反射するまで磨く、という製法でしたが、現在の技術では、一般的にはガラスの表面にアルミニウムや銀などの金属を吹きつけることで造られます。 「お、じゃあ銀使ってるから銀色だね」と思った方…それは甘い。 それだと銀色なのは鏡ではなくその表面に吹き付けられた銀そのもの、ということになってしまうわけで。 鏡そのものの色ではありません。 製法からはその正体を探ることは難しそうなので、今度はその現象から正体を探ります。 上でも示したとおり鏡とは『眼に見える光を反射する物体』ということ。 造られた鏡で考えると銀などの反射しやすい物体の色が見えてしまいますが、例えば水やガラスにも反射という現象は起こるわけで、ある意味これも”鏡”。 反射すればいい、ということは物体ではない…ということでしょうか? つまり鏡を物体として捉えるから、上のように表面に張った金属であったり、ガラスであったりという”鏡以外の物体”に思考を邪魔される、ということになりそうです。 鏡は現象である…そう考えると『眼に見える光を反射すること』が鏡現象、ということになります。 …今度は鏡が『現象』になってしまったので、色どころか物体として捉えることができなくなってしまいました… 見えないということは強いていえば透明、ということになるのでしょうか。 でもこれもなんかしっくり来ません。 実際鏡とは何色なのか…いやそもそもなんなのか。 古くは鏡といえば、それこそ水に写す水鏡、という意味合いが強かったようです。 そこから金属鏡が出てきます。 現存するもので一番古いのは、エジプトの第6王朝(紀元前2800年)のものだそうで、物体としての鏡の歴史は5000年近くに及び、そもそもの水鏡から考えればその歴史はいわば人類の歴史と同じくらいあるといっても過言ではないでしょう。 また鏡はかつて”あちら側”と”こちら側”をつなぐもの、と考えられ、祭祀の道具としても使われました。 あちらとかこちらとかがどこのことなのかは…各自で考えてくださいw よくアニメや漫画、物語でも異世界をつなぐアイテムとして出てきますよね? 僕の好きな仮面ライダーでも『龍騎』がミラーワールドに、今週号からジャンプで新しく連載がスタートした『鏡の中の針栖川』でも重要な未知のアイテムとして鏡がモチーフになっています。 古くに遡れば、日本にも三種の神器ってありますよね? あの中にも”八咫鏡”つって鏡が入ってるくらいですし、古来の日本人も神秘的なものとして考えていたことがわかります。 さらに鏡は、動物の知能を測る道具としても使われています。 『鏡映認知』つって、鏡に写っている自分の姿を認識出来るかどうかがその動物の知能を測るある種の基準になるそうで。 たしかにアニマル番組とか見てると、鏡に写った自分の姿を敵として認識して警戒する動物の姿とかをよく見る気がします。 チンパンジーなんかは、写った姿を自分だときちんと認識して、毛づくろいに使用したりもするほど知能が高いそうです。 とまあ長々語って来ましたが、実際鏡の色とは…という問いには、答えは出ませんでしたw 有力なのは上記のような、銀色や透明、という意見だったようですがどちらも的を射るような答えではない気がします。 それこそ一番近いのは、もしかしたら鏡色……もしくは自分色、ということになるのかもしれません。 あなたに見える鏡は、何色ですか? あなたが『鑑』に写す色は…自分色になっていますか? もしかしたら鏡の色には、総ての答えが詰まっているのかもしれませんね。 スポンサーサイト
考察
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