進化の代償2013-07-06 Sat 00:08
ある意味では大変に面白い話を目にしました。
『ヒトは生物学的には超未熟児の状態で生まれてくる』というもの。 曰く、本来なら首が座る程度まで胎内で育って生まれるはずが、どういうわけか首も座らないほど未熟な状態で出産してしまうんだとか。 生物学、なんて難しい話が出てますが…そういう話でいったら人間って唯一の思考する生命体…『考える』『知る』などの知的欲求というものを持っている個体なんですから、進化という意味合いで考えるならばかなり進んだ存在であるはず。 にも関わらず子供は超未熟な状態で外に放り出すという…ある種ムジュンに満ちているように感じることをしているわけです、種全体で。 この理由って実は『それがギリギリ限界だから』らしいんですが。 人間って二足歩行するでしょ? 元来動物は四足歩行の方がいろいろ安定するっぽいんですよね。 そして二足歩行になったせいで腰回りの筋肉が発達して骨盤が締まり、そのせいで出産が大変困難なものになってしまっているんだとか。 一節には、人間の安産は動物の難産と同等の苦しみである、とすることもあるんだとか。 それほどに苦労を伴う出産という行為…胎内で首が座るほど成長してしまうと出産すること自体が困難になりすぎてしまうわけで『超未熟児状態で生むこと』が身体的なギリギリの妥協点というわけ。 これってすごい話だと思いません? 進化を進めれば進めるほど生命体としての完成に近づくのかとおもいきや、進化した結果人類は未熟児を産まざるを得なくなったわけで…いったい何を持って『進化』と呼び何を『退化』とするのか。 出産で考えると動物の世界でもちょっと不思議に感じることが起きています。 まずは動物を、ざっくり肉食と草食にわけて考えます。 食物連鎖で考えると草食動物は肉食動物に食べられてしまうわけで『肉食の方が強い』ということがいえます。 強い方が良い、とするなら肉食動物の方が進化していることになりますが、肉食動物の子供は親に育てられて大きくなります。 ある程度大きくなるまで、親が取ってきた食料をあてにして、親に頼りっきりで生きるわけです。 逆に草食動物は群れで生き親のそばにはいますが、生まれてすぐ自立歩行することを覚えさせられ、親の世話になる分量が少ないわけです。 どうです…? 『完全な生命体』が進化の頂点だった場合、一人で生きられない時間が長い肉食動物の方が進化してないように思えません? 弱い存在である草食動物の方が進化しているという…おかしなことが起きているように感じます。 まぁコレはある意味ミスリードなんですがw 出産に関してもそうですがほとんどの場合『それぞれの都合』によって取る行動が違ってくるんですから。 草食動物は『食べられないように逃げる』必要があるので早く歩けないと危ないわけです。 逆に肉食動物は狩る側なのでめったに襲われることはなく安全。 むしろハンターでもある親が長く動けなくなってしまう方が危険なわけで、そういった意味で早めに出産するわけですね。 でもね。 ここで一つ疑問が生まれます。 太古の昔、人間って狩りもしてましたけど、鋭い牙があるわけでも長い爪があるわけでもなく、火や道具を仕えるようになるまでは非捕食者…草食動物寄りの生命体だったはずです。 すぐに逃げないと食べられてしまう非捕食者の人間が、超未熟児状態で子供を出産するのって…さっきの話と違ってきますよね?なんでか。 人間って他の動物と違う方向に進化してるんですって。 それはつまり、牙や爪を強くするわけでも、足を早くするわけでもなく…知能を発達させるという方向の進化。 牙や爪はなくとも知能を発達させたことで、どんな環境にも『考える』ことで対応出来るようにした、と。 そして人間の例でもわかるように、進化というのはそれぞれが勝手に環境や状況に合わせてするもの。 全ての動物の祖先はひとつ。 一つの生命体からそれぞれが枝分かれし、進化を繰り返し違う姿や能力を獲得したわけです。 人間は特に特異な進化をしたとは思いますが、今いる全ての生物はひとつの祖先から同じだけの時間をかけて進化し、今のかたちを選択したわけで…どの種も進化の頂点であるともいえるわけです。 人間の場合二足歩行という進化の代償に超未熟児状態で出産する、という、退化とも取れる選択をしたわけですが、これも進化と呼ぶようで。 細かい生物学のジャンルによって『進化』というものの概念も違うようなんですが…得るものがあると失う物もある、と考えると進化も一概に素晴らしいものとはいえない場合もあるのかなー、なんて。 『考える』方向で進化を進めた人類は、同じ時代を生きる人間同士で『考え方』が違うという現象が起きています。 俗にいうジェネレーションギャップってやつですが、これもある意味進化の現れなのかな、と。 ただ『じゃあ古い考えは切り捨てて新しいものが正しい』と一概に決め付けるのは良くない気もするんですよねー。 せっかく考える力を持っているんですから、全ての人類がより良く寄り添って生きていける選択を『考える』能力で選べた時。 その時が人類における『真の進化』なのかな、と思いました。 …なんか…話がすげーデカくなってるーーーー!!!w これもある意味『進化』ってことでw スポンサーサイト
考察
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