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マジP!

間島淳司の日常をプロデュース!!

余裕ぶっこき隊

『売れたい』『有名になりたい』『忙しくなりたい』などと言っている若手をよく見かけます。

…多少嘘をつきましたw
話しぶりや振る舞いを見ていて「ガツガツしてるなー」とか「こいつ売れたいんだろうなー」と感じる子がけっこういる、という意味です。
もちろんこの仕事をしていく上でまずは『食べられるようになる』という壁があり、ひいてはそれは『売れる』というのは目標のことでもあります。
胸を張って職業というためにはまず「それ一本で食べられているのか」ということがある程度の基準になると思っているので。

幸い僕も仕事をはじめてから8年ほどでバイトはやめることが出来ました。
終盤は「いつ仕事がなくなるかわからないから」と週に1日だけバイトに入って、もしものときにいつでもバイトの日数増やせるようにしてたのもありますがw
こういう話をすると如何に声優という職業が厳しいものかおわかりいただけるかと思います…目指してる方、お子さんが目指してるという親御さんはそこらへん踏まえて話し合ってくださいw


話は逸れましたが僕は個人的には『食べていける程度の稼ぎがあればいい』『必要以上に売れたくない』という考え方です。
よく現場やラジオなんかでも「仕事は週3くらいでいい」とか言ってますしw
まぁだいたい言うと「またまたw」とか「ふざけやがってw」みたいなリアクションが返って来ることが多いですが、本人は至ってマジメに本気で言ってるんですけどね。

我々の仕事は、一回一回が試験にかけられているようなものだと思っています。
役の大きさに関わらず、その現場でどのような仕事をしてきたか、どのような仕事が出来たかが、新しい役との出会いを生み、ひいてはそれが未来の自分の仕事につながる。
我々の仕事は歩合給なので仕事をやった分だけお賃金が入って、生活が成り立つというかたちになります。
そのためには…『どのようなスタンスで仕事に臨むか』ということが重要になってきます。

そういう意味で『売れる』という考え方は、実に安直で簡単で危険な考え方だな、と思うのです。
売れればそりゃあお仕事はいっぱい来るでしょう。
お仕事が来るということは裕福な生活も出来るだろうし我々の仕事の場合人気…名声なんかも手に入ったりして、地位や名誉を欲しがるなら売れるのは非常に良い方法だと思います。
が『売れる』ということは『過度に仕事が来る』ということでもあります。
人間には一日の時間が決められていて、誰であろうと一日は24時間と相場が決まっています。
そのうち何時間寝て、何時間働いて、何時間余暇に当てるのか…それは個々人の気持ちと環境次第。
そして我々の仕事の場合台本のチェックなんかは『余暇』の部分に当てはめられるので、どのようなチェックの仕方で現場に臨むのかは役者個人のやり方に委ねられているのです。

そうなると『売れる』ということは実に辛い選択肢を迫られることになります。
売れると仕事が増えます。
仕事は『実働している時間』を指すので、先述の通り台本チェックの時間は考慮に入れられてません。
そうなると何かの時間を削らないと台本が読めないのです。
本来僕らは『声の芝居がしたくて』声優を志し、その職業になったはず…なのにお金を得るためにその心をどこかに忘れてしまう可能性があるのです。

ココらへんは「好きなことを仕事にする難しさ」でもありますが。

長くなりましたが「仕事は週3くらいがいい」というのは、そういう心を忘れないためにあえて余暇を欲する、ということでもあるのです。



…とこのくらい言っとけば説得力が出るでしょうw
もともと僕って働きたくない人間で、楽しい事しかしたくないタイプなんですよねー。
そういう意味では役をきちんと演じてあげられた時は楽しいし、そもそも学生時代からお芝居やっててそれの延長のイメージがあって仕事してる感も薄いから、僕にとって声優は天職なのかもしれませんw

忙しくなりすぎて辛くなっちゃうと、いい仕事が出来なくなるだろうしこのくらいが自分にとってのベストだというお話。
ヒマをどう使うかも、豊かな人生を送る方法の一つだと思います。

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