ハコブネ!2014-05-30 Fri 00:13
見たいものがあってここに行って来ました。
![]() 天王洲アイル。 いやー何回来ても、何回聞いてもカッコイイ駅名ですね…天王洲アイル。 天王洲ってだけでもすでにカッコイイ風情が出まくりなのにその後突如のアイル…横文字と来ましたよ。 てかそういう意味ではりんかい線のこの辺りの並びはすごいですよね、なにせ『品川シーサイド』→『天王洲アイル』→『東京テレポート』ですし。 海辺から島行ったかと思ったら瞬間移動ですよw …そっちのテレポートじゃないよね…!! ま、わかってて言ってんだけどサw 今回このカッコイイ地名の場所に来た理由は……これ!! ![]() KKP。 見づらいかもですが脚本・演出・美術のところに名前が載っている『小林賢太郎』…そう、ラーメンズの小林賢太郎さんです。 彼はラーメンズやソロの公演とは別に、自身でプロデュースした演劇作品の公演を打ちます。 それがKKP…『A KENTARO KOBAYASHI PRODUCTION』。 コントがベースになっているラーメンズの作品に比べ、KKPの作品は演劇作品として描かれているのが特徴といえば特徴で、違いといえば違い…でしょうか。 今回はこの小林賢太郎演劇作品『ノケモノノケモノ』が天王洲は銀河劇場にて上演される、ということで行って参りました! で早速感想。 なんといえばいいんでしょう…『笑いもあるけどテーマもあって、笑って悩んで持ち帰る』とでもいいましょうか…全然伝わらないですよねーデスヨネーw 小林さんご本人は『演劇と思わず長いコントくらいに思ってご覧下さい』なんてことを言ってるみたいですが、僕からしたらコレは「笑いの多い演劇」でした。 せっかく生で物語を演じて見せるわけですから、演劇作品の裏には『何か訴えたいもの』とかが乗ってることが多いです。 見てくださったお客さんの心の中に小さな刺を打ち込んで、自分なりにその問題を考えてもらう…そういう何かしらの『引っかかり』みたいなものを残すのが良い演劇かなーと。 …そういう意味ではうちらがやってるエムズスタイルは見終わった後なーんも残らない、ただただ面白いことやりたいだけの集団なので演劇じゃないのかもしれませんがw 今回の『ノケモノノケモノ』にはそういう”考えるべきこと”がきちんと練りこまれていたように感じます。 ただその中にコメディ的要素を多めに入れたことで、小林さんご自身が「長めのコント」と評するに至ったのではないかと…そう推論するわけですが。 兎にも角にも考えさせられる作品であったことは間違いありません。 物語としてはわかりやすくいえば『不思議の国のアリス』みたいな話…っていうと、手っ取り早いけど50%くらいしか説明できてない感じというかw 上のポスター見てもらえればわかると思うんですけど…オッサンしか出てこないんですよw アリスみたいにカワイイ女の子もいなければ時計持ったウサギもいない…あ、でもカモノハシは出てきてたかw ただ『現実の人が異世界に迷い込んで冒険するお話』という意味ではアリスと近い、というそんな感じのお話。 主人公がサラリーマンで、営業に来た先でバス待ってて異世界に迷い込むという、現実的なところから始まって不思議な世界へ潜り込んでいくんです。 異世界はホントに不思議な世界で、何喋ってるかわかんない言語で喋ってて、なにで出来てるかわからない食物が出て来たりする世界。 不思議な世界なんだけどそこに住む住人は人間と同じ姿をしてて、でもこっちの文化とは少ーし違うところがあって、そこがなんとも不思議に見えるという…なんとも上手な不思議の演出の仕方w 特徴的なのは言語絡みのシーンで、現地の人が喋りかけて来て困っている主人公に「わかったフリをしてれば大丈夫」と声をかけ。 わかんないけど「わかった」となんとなくそうしてるといつの間にか相手の言葉がわかってる、みたいなシーンがあって…見てるこっちはポカーンw でも会話がちゃんと成立してるように見えるから、『わかんないけど、これでいいんだ』と思わされてしまう。 そういった『不思議な演出』が随所に出てきて、初見だとたぶん狐につままれてるような気分になりますw それが小林賢太郎好きにはたまらないやり方だったりするんですがw 上記の『不思議』の演出やそれ以外のところでも、今作では『他の作品で出てきた表現方法』を多用していたのが印象的でした。 セットの使い方は昨年舞台を見て今年Blu-rayで見直した『P+』という作品で使っていたやり方と近いし、わからない言語で会話をするというアイデアも『P+』のオマケだったり『アカミー賞』というネタで使っていた方法論。 他にも『甲殻類のワルツ』や『モーフィング』、『ことわざ仙人』などの過去公演で見た表現方法らしきものも使ってて、単純にファンとして嬉しい部分もありました。 今までこういうのほとんどなかったんですけどね、何の風の吹き回しなんでしょうか…超楽しいw 更に今作では美術のほとんどを小林さんが手がけてます。 過去作品でもちょこちょこあるんですが、舞台上でこんなに小林さんの作品が出てくるのは異例。 が舞台上のセットは非常にシンプルで、そのシンプルなセットに映像を投影するかたちを取っています。 昨今流行りのプロジェクションマッピングとか想像するかもしれませんが…ホントに客席側からプロジェクター的なもので投影するだけ。 前に立つ役者の身体にも映ってたりしてw ただそのシンプルでアナログなものを発想で新しいものに創り変えてるところが小林賢太郎さんのすごいところ。 舞台上には動く壁のようなセットがだけがあり、そのセットに映像を投影。 びっくりするのは映像を投影しながらその壁を動かすという点。 壁についてるちょっとした機構を映像と絡めて、同じ機構を全く違う使い方で表現するという…ああ、ダメだこれ口で言っても理解してもらえない気がするw こういう、シンプルで斬新で、斬新すぎて誰も見たことないから説明するのが難しいってのも小林賢太郎作品にはよくあることだったりしますw 今まで何本か、KKP作品はDVDやなんかで観てきましたけど…この『ノケモノノケモノ』がもしかしたら一番”小林賢太郎らしさ”みたいなものが出てて好きかもしれません。 演劇とコントの調和とか、言葉遊びの感じとか、難解に思えることを簡単に見せることとか、人の想像の外側を行きたがるところとか…。 語り出すとネタバレになってしまうのであまり多くは語れないんですが、物語全体に流れるテーマも、誰しもが当てはまる部分があってでも誰も当てはまらないことだったりして…自分のことをすごく考える良いきっかけになる作品だと思いました。 東京での公演はもう終了してしまったようですが、これから時間をかけて福岡・名古屋・仙台・札幌・広島・大阪・横浜と各地を回るようです。 興味のある方はご覧になってみては……ってまだチケットあるか知りませんけどw 僕はいつか出るであろうDVD&Blu-rayを待とうと思います…w スポンサーサイト
感想
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