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マジP!

間島淳司の日常をプロデュース!!

それが、キミの…。

響鬼。

ということでちょこちょこ1話ずつ観進めていた『仮面ライダー響鬼』、最後まで見ることが出来ました。

響鬼は2005年1月からスタートした番組で、考えてみりゃ今年10周年作品だったわけで。
良きタイミングで見直したな、という感覚もありつつ。
ただ見直すには相当な勇気が必要でした……あの10年前の悲劇を思い出すから。

仮面ライダー響鬼という作品では、途中からスタッフ陣が様変わりしています。
特撮では監督や脚本家が話数によって違う、なんてことはザラにあるのでさほど珍しくないようにも思えますが、響鬼のときはプロデューサーとメイン脚本が変わりました。
それに伴い路線の大幅変更も行われ、視聴者から見ても「どうした響鬼」と言いたくなるような変化が作品内にゴロゴロと現れました。
いくつか挙げるなら、響鬼さんたち鬼の敵・魔化魍と戦うときは、付近の目撃情報から人里離れた山の中に探しに行き、アイテムを駆使して場所を特定・その後やっと戦闘、という地道で且つとてもリアルな作業をやってたんですが、変更後は街を歩いてたら突如目の前に魔化魍が現れたり。
ヒビキさんを慕う少年・明日夢くんのお母さんとの家でのシーンに代表されるような”日常”を切り取ったシーンが激減。
端的に言えば、難しかった話がわかりやすくなったわけで…子供からの視線を意識した改革だったんだと今は思います。

変更された理由も特に明言されたわけではなく、突然の路線変更が意味するものがいったい何なのか知るすべも無く。
当時は半年かけて育ってきた”僕の中の仮面ライダー響鬼”が壊されてしまったような感覚で…とても悲しかったものです。

ただね。それでもヒビキさんが…『仮面ライダー響鬼』が大好きなんです、僕。
好きだからDVDを買い、”見直す”という作業を過去にも何度か試みたんですけど、どうしても変更後の30之巻から先が見れなかったんですよね。
ただ10年の節目、僕も10年前とは違うわけで、今でも好きだと思えるこの愛を持ってすれば、変更後の全ての世界観も愛せるんじゃないかな…と。
そうして見だしたわけですが。


なんかね……普通におもしろかったよねw


前半後半どっちが好き?と聞かれたらもちろん前半の方が好きではあるんですけど、それももはや好みの問題なのかな、と。
ヘタすると変身して戦わないんじゃないか、くらい戦闘シーンが短いこともある前半よりはバトルも多く敵との図式が明確になった後半の方が見やすい部分もあるし。
内気で明確に主張をすることがあまりなかった明日夢少年がライバルとなる桐谷京介が登場することで主張をするようになったり、物語としても主題や描きたいことが明確になった印象を受けました。
…ライバルの桐谷くんや布施明さん演じる小暮さんあたり、変更後に出てくる新キャラがことごとくキャラが濃いのは否めませんでしたがw

当時は「世界が変わった」「なんかイヤ」みたいな感覚でちゃんと見てなかったんでしょうね…後半に入ってから様々なことを忘れてることが発覚しましたw
いやーまさか◯鬼さんが◯◯でたり◯◯くんが◯に◯◯したりしてたとは…完全に忘れてた。
しかも話の最後がああなってるなんて!!すげー度肝抜かれた!!
あんなに印象的なのに忘れることってあるんですね…僕と同じく忘れてる人にはぜひ今一度見て頂きたい。


全体通して感じることは、『仮面ライダー響鬼』という作品は他のライダー作品とは一味違う点があること。
それは…ライダーが主人公じゃない、ということ。
主人公というものが『物語とともに成長する人物』『成長を描かれた人物』だとするならば、仮面ライダー響鬼の主人公って鬼に変身しない明日夢くんなんですよね。
大人であり、兄であり、親のように見守るヒビキさんの背中を見て少年が成長していく物語…それが響鬼なんだと。
なので物語中ヒビキさんが葛藤するシーンはほとんどありませんw
強敵が現れ倒すことが困難でも、ヒビキさんは迷うこと無く”鍛える”ことで困難を乗り越えていきます。
物語序盤バイクに乗れなかったヒビキさんは、自主的に練習することでバイクも乗りこなします。
その”頑張る背中”を少年に、子どもたちに見せることが、響鬼で描かれてることなんだと思いました。

実際ヒビキさんって少年に「こうしろ」とか直接的なことは言わないんですよね、ヒントみたいなことは言っても。
多くを語らず、あくまで自分の人生は自分で考え、道を決めさせ、後悔したとしてもそれもまた人生であることを教えてくれる。
何が起きても大樹のように変わらずどっしりと構えていることで、迷える少年に安心感を与えてくれる…そんな存在。
役者としても人間としてもヒビキさんみたいな人になれたらな、と、観終わった時に強く思いました。


デザインも話の内容も、仮面ライダーとしてはちょっと異質だったかもしれません。
それでも『響鬼』は僕に大切なモノを残していってくれた作品です。

人生に迷った時、道を示してくれる大人が欲しくなった時…また見直すかもしれません。

それが、僕の響鬼。

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