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マジP!

間島淳司の日常をプロデュース!!

過去の名作に触れる

ちょっと前にテレビで『100分de手塚治虫』って番組がやってました。

タイトル通り100分間の番組内で手塚治虫の魅力を出演者が語る、みたいな番組だったんですが、見てて非常に面白そうだったのです。


手塚治虫といえば『鉄腕アトム』に『ジャングル大帝』『ブラックジャック』や『リボンの騎士』などなど…途方もない数の名作マンガを生み出した偉大な漫画家。
そして日本のアニメーションを作り出した、僕ら声優にとってもとても重要な方でもあります。
番組内ではディズニーがお好きだったとか、フリーハンドでキレイな丸を描けたとかいろんなお話が飛び出し、中でも印象に残ったのが『手塚治虫が考える”エロス”』について。
え!?エロ!?エロなの!?とつい反応してしまったわけですが…僕が思ってた感じとちょっと違う切り口でエロを語ってらっしゃいました。

曰く。『生身の動いてる生物にエロチシズムを感じる』と。
”動いてる”ということそのものに対してエロチシズムを感じるんだそうです。
性的な話ではなくもっと根源的な、生命力としてのエロチシズム。
…ちょっと深くてわかりませんがw
また円運動に魅力を感じる、といった発言もしています。
角がなく滑らかでつるっとしている”円”という動き、それを漫画という世界の中で追求しているんだと、まぁだいたいそんなことをおっしゃってたわけですが、こっちはなんとなーくわかるような気はするんですよね〜。

円…曲線。
男性の身体は筋肉質で硬そうで直線的で、女性の身体は丸みを帯びて滑らかで曲線的に描くと良い、みたいなことをむかーし漫画の描き方の本で読んだ記憶があります。
いわれてみりゃあ女性っておっぱいだったりおしりだったり腰のくびれだったりと、魅力として挙げられる象徴的な部分ってだいたい丸みを帯びた曲線的パーツだと思うんですよね。
男性はそういう”丸み”に女性の魅力、エロスを見出しているんじゃなかろーかと。
その延長上に手塚先生のおっしゃってる『円運動の魅力』があるのかなー、なんて。
エロチシズムに”生命力”というものを持ってくるあたり、前にワイドナショーで武田鉄矢さんが言ってたエロスとタナトスの話を思い出しましたよね…深ぇ…エロ深ぇ…。

てかあんな偉大な漫画家さんがテレビのインタビューでエロチシズムについて語ってるってのが驚きでしたがw


まぁそんなのもありつつ手塚治虫さんに興味を持ちまして。
そういや手塚先生の作品ってアニメでは見たことあるけど漫画読んだこと無いな、と思い、勢いで購入してしまいましたw
買ったのは『火の鳥』。
これも有名な作品ですよね…昔ファミコンのソフトで『火の鳥鳳凰編』が出てたのを覚えてます。
横スクロールアクションゲームで、我王って主人公が各地を回って、分割されて散らばった火の鳥の彫刻を再び完成させる…みたいなゲームだったと思いますが僕の火の鳥の知識はコレだけですw
意外と知らないな、というのと、番組内で『手塚治虫は日本で唯一長編漫画が描ける漫画家』みたいなことを言ってまして、それが気になったのがあって購入に踏み切った次第。
ちなみに長編漫画ってのはシリーズが続いて巻数が多い、という意味ではなく、長期連載なのにストーリーがきちんと一つであり、一話完結みたいな形をとっていない、という意味だそうです。
一本の映画のように、長い漫画のシリーズが繋がってるんだと思えばわかりやすいかと。
…そんなん聞いたら確認したくなりません?w

で読んでみたんですが…言いたいことがすごーくよくわかりました。

火の鳥はいくつかの章から構成される物語で、いろんな時代を行ったり来たりします。
登場人物はその都度違いますが、メインに据える数人は子孫だったり先祖だったり、同じ魂を持った存在。
章によって若干の違いはありますが、基本的にはその時代その時代で必ずいる『血を飲むと不老不死の力を得られる』という伝説を持つ鳥・火の鳥を追う物語です。
それを重ねていくことで大きなテーマを描き出す物語なんですが…この章ごとの物語が切れ目がないんですよ。
例えば1巻から始まる『黎明編』は2巻までで終わるんですが、この1〜2巻の間で普通の漫画みたいに『その1:◯◯の巻!』みたいな1話ごとの切れ目がないんです。
繋がってるから、読み始めたらもう最後までぶっ通しで読むしか無いの。何故って?先が気になるからw
これは非常に珍しいですよね…普通連載してたら切れ目ってあるはずですもんね。

また漫画としても非常に革新的。
最初の黎明編が初めて描かれたのは1954年で今から62年も前のこと。
戦争が終わってちょっと、といったところなのに、コマ内に描かれる擬音とかの漫符が英語だったりするんですよね。
日本の漫画だとほとんどないじゃないですか?アメコミみたいな英語漫符なんて。
それを縄文時代のお話やってるときにブチ込んでくるとか新しすぎてもうw
コマ割りなんかも今の漫画では見たこと無いような切り方してて、今見ても楽しめる漫画でした。
やっぱり偉大だと言われてる人はホントに偉大。


たまには名作に触れてみるってのもいいもんだな〜と思いました☆
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