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マジP!

間島淳司の日常をプロデュース!!

初日っちゃあ初日。

昨日は劇団東京都鈴木区『いるわけないしっ!』を観劇してきました。

いるわけないしっ!チームとしては初日…なんですが、公演自体はその前日・火曜日から『弁護士バイロン』チームが行っているため厳密には初日ではないという変則ルールではありますがまぁ初日キメられたということでw


『いるわけないしっ!』といえば約5年前、初演というかたちで他ならぬ鈴木区にて上演された作品。
当時は僕も劇中VTRのナレーション役で関わったり、他にもムニャムニャしたりで関わった作品であるわけで、忘れてる部分はあるにせよ大まかなストーリーは知っている作品。
加えて鈴木区は基本的に出演キャストが決まってからの当て書きをすることが多い劇団…いるわけないしっ!は作品人気も高く、当時の印象が強い作品でもあるのでキャストを変更しての今作が僕の目にどう写るのか、というのもポイントの一つでした。
がまぁ…まったくの杞憂でしたね!すっげーいいの!
細かいことはネタバレを防ぎつつも内容気になるように書いてみるんで、これから観に行かれるという方もそんなつもりないよという方も読んでみてください、で気になったらチケットを取ってくださいw


まず改めて思ったのは、『いるわけないしっ!』という作品…本の完成度が非常に高い!ということ。
ド頭で展開する情報、次々に出てくる関係なさ気な登場人物、ポン、と提示された突然の情報…これらすべてがエンディングまでに回収されるというトンデモ構成。
初演のときも思いましたが今回見直して改めてそれを感じましたね…そして鈴木区にしては珍しく、ガッツリと泣かせに来る展開。
『キミが、No.1』もかなり悲しい印象の強い作品ではあるんですが、演出としては「コメディなんで!」ととにかく客を笑わせに行こう!という姿勢で作ってた作品なんですが、今作はもうどう見ても「これは泣かせに行ってるだろ」と思わざるを得ない『完泣きポイント』が存在します。
もちろんここが成立しないといけないのでここまででしっかりと人間像や関係性を描いておかないといけないので”ここだけ”というわけではないんですが、とにかく100分のこの作品すべてを見たら誰でも泣くであろうシーンがこの作品には存在します。
先に言っちゃいますが僕は鈴木区観に行くとごく自然に記録係の仕事を与えられるのでデジカメのモニター越しに見てることが多く、作品への没入感というものは普通に見るよりは減るんですが、それでも泣きましたw
今回はキャストさんの力も大きいと思いますね…その役をとある方がやる、と魂殻少女あたりに聞いた時に「こんなん絶対ハマるやん!!!!!!!」と思ったのがドンピシャ的中、って感じでしたw

キャストの話になったので他にも触れておきますが、先述の通り鈴木区は当て書きすることが多い作品。
今回の作品に関しても、キャストが決まった状態で智晴くんがその人に合うであろうキャラクターを生み出して書いた作品だと思います。
つまりはオリジナルキャスト以外は『合わせる』という作業が必要になるわけです。
普段キャラありきで仕事をしている我々からすると「いいな…当て書きされるなんて…」とか思って見てる部分もあるんですが、今回は一部のオリジナルキャストを除いては誰か別の人間に当て書きされたものに合わせにいかなきゃいけないわけです。
加えて僕のように初演を見て大好きだ、と思ってる人からしたら『初演と比べて』みたいな見方も出てくるわけで…なかなかに大変なことだと思うのですが、そこらへんはご安心ください、初演と比べて見ても見劣りすることはございません!!w
オリジナルキャストに関しては当たり前ですが役とのマッチングは当然抜群。
加えて5年の歳月と経験値によってキャストの実力が上がり、前作よりもキャラクターの人間性が深く描かれている部分を感じました。
これは特に主演の戸田ちゃんに感じましたね〜、彼女の安定感が増したことで作品がグッと締まった気がします。
宝田に関しても取りに行くところは明確に出つつ、引くべきところは引いてて「大人になったな…」という感じ。誰目線なんだ僕はw
新規キャストの方に関しては、違うアプローチながらも役を新しいイメージで作り上げている方が多く、「初演とは違うけどこれはこれで良い!」って感じを強く受けました。
特に今作は丈助役の中川むっくさんと、魔羽役の丸山正吾さんが素晴らしいですねー。
むっくさんは『ラストオーダー90分』あたりから僕も知ってる方でもあり、先述の「こんなん絶対ハマるやん!」の人なのでまったく不安はなかったんですが、魔羽は初演、他劇団での再演と2回見ていてとてもアプローチが難しい役なのを知っているのもあり、今回はどう来るんだろう…?と気になってた役でした。初演は特にキヨが良かった役ですし。
が今回の丸山さんは過去2作の魔羽とはまったく違う方向からのアプローチで見事に演じきっている感がすごい!
キャストみんなが「丸山さん天才」と稽古段階で言ってたのがよくわかりましたね…コレ多少ネタバレなんですが、途中魔羽さんが丈助さんのマネみたいなことをするシーンがあるんですが、コレがすごい激似なんですよ!
見てて「え…こんな…似る?」と思うくらい。
二人の声質が近いのもあると思いますが、聞くに他劇団で看板張ってらっしゃる方だそうで、実力が遺憾なく発揮されてる名シーンだと感じました。


いるわけないしっ!は霊感のない娘のもとに初七日目前の亡くなった父が現れるお話。
コメディなので死んだ父と娘が同じ場所にいるのに気づかない、というところがミソの作品なんですが、序盤コメディで押して来たのに終盤の家族愛で一気に泣かされるという、感情のジェットコースターのような作品でもあります。
8月にやった『魂殻少女』は序盤イロモノ祭りみたいにシーンが変わるごとに色の濃い人が出てくる作品でしたが今作はそこまで濃い人はおらず、鈴木区慣れしてない人にもとってもオススメの作品です。
本日を含めて、今週末12/2まで毎日公演しておりますので、お暇な方は下落合はTACCS1179まで是非、足をお運びくださーい!
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