駆け抜けた10日間。2017-09-25 Mon 00:04
ということで。
我々『ヨンコマ。』の千秋楽からは一日空いてしまいましたが、本日を持ちまして劇団東京都鈴木区第16回公演『先輩、服を着てください』『ヨンコマ。』は終了と相成りました。 まずはご来場頂いた方に感謝を。 もともと感想書こうと思ってたところに質問で ・ヨンコマ。の稽古中や本番中で大変だったことや、やって良かったと思ったことを教えてください! という、タイミング良いというのかそんなん言われんでも書くやろというべきかわからない質問が来てたので合わせて答えつつ感想を書いていこうと思いますw 劇場なんかでもちょこちょこと終演後に語った内容と重複することもあるかもですがそこはご容赦ください。 もとはといえば昨年の夏、鈴木区が行った第14回公演『ラストオーダー90分』の終演後、打ち上げがてら劇場で飲んでた時にあづささんが言った「同い年の、この4人で芝居やりたい!」というのがすべてのきっかけでした。 ラストダにはよっつん役の伊智くんも鯖乃麹毛造(さばのこうじ けぞう と読みますw)役で出演しており、もちろん鈴木区メンバーである智晴くんもあづささんも出演。 僕も日替わりゲストだったり記録係だったりで稽古場にも通ってたのもありこの話題になったんだと思いますが…当初僕はこの計画に乗り気じゃなかったんですよねw ただ別にやりたくないとかではなく、やるのは楽しそうなんですけど劇場の大きさがね…w もともと言われてた段階で今回お届けした遊空間がざびぃでの公演が良い!と言われておりまして…声優のファンの人って『全通』って概念があるでしょ?w もちろん起こしいただくのはありがたいし、何度も見たい!と思ってくださるのはいいんですけど、こちらとしてはどうせやるならたくさんの方にも観ていただきたくて。 もともと鈴木区のファンだという方も相当数いる中、詰め込んで80キャパくらいのがざびぃでは、誰かが悲しい思いをしそうだなーという思いがありまして、僕の腰は重かったのです。 ただ席を増やすと当然舞台も広くなり、4人芝居では持て余してしまうのも実情…結果席のことに関しては「もうどうなってもしらねぇぞ」と半ば暴力的な解決方法で結論づけ、出演をOKしたのです。 まぁ…案の定客席パンパンでしたよねw でも結果、1ルームの部屋で起こる4人の悲喜コモゴモのお話になり、僕達にしか出来ない一つのカタチが示せたのではないかと思います。 コレが朗読の『キミ1』やった座・高円寺とかでやってたら観てらんないですもんねぇ、芝居小さすぎてw そもそもが劇団座長・ひーくんの家に集まって行う次の公演の会議、という設定なので、稽古に関しても「スペースいらなくね?」ということで、今回は都内各所に点在する貸会議室を使って稽古するという斬新な稽古を重ねましたw 貸会議室って行ってみないと中がどうなってるかわかんないんですよね、テーブルのサイズ感とかどのくらいの広さがあるのかとか。 着くなり「今日はどうやって稽古スペースを作ろうか」みたいなところから話し合うので、なんかホントに設定にある”不人気劇団”みたいな感じが出てて、今思えばそうやってみんなで作ってた感があの空気感に結びついたのかな、とも思います。 役もキャラはほぼほぼ当て書きだから役作り必要ないし。 稽古終わって飲みに行って、4人で卓を囲んで喋ってると、まだ稽古してる感覚に陥るんですよね、「あれ、今僕はひーくんで喋ってる?間島でしゃべってる???」みたいなw この不思議な感覚を味わえたのも、ヨンコマ。をやってよかったと思えた要因の一つですね。 そうやって貸会議室で稽古を重ね、時折『先輩』チームが使ってる大きめの稽古場でも稽古をし…7回という少ない稽古回数で小屋入りして。 セリフの間違いやタイミングのミスは多々あったものの、この少ない稽古で臨んだ結果があの”どこまでが台本でどこからがアドリブかわからない”現象を引き起こしたんだと思います。 結果オーライみたいな話ですけどw 「7〜8回稽古すれば、とりあえずあのくらいのことは出来る」ということがわかったのもある意味収穫…ですが二度とやりたくないですねセリフ出てくるかずっと不安でしたからw 小屋に入ってから皆さんにお見せするまで、実は『先輩』チームの役者もこっちの稽古はおろか台本も観てなかったんですよね。 なんかこの39歳の4人がなにやるか、初見で観たかったらしく…同じ稽古場で一日稽古の時に入れ違いになったりしてたんですけど、みんな僕ら置いてさっさと帰るんですよw おかげでこっちは「やってて面白い」という感覚はあるんですけど、果たしてこれを人様にお見せしたときにおもしろいものになってるのかどうかという感覚がまるでつかめなくてw お話としても役者の人生の分岐、みたいな話でもあるので「果たしてこのお芝居は一般のお仕事の方に受け入れられるのだろうか」という不安が、初演を迎えるまでずっとありました。 役者にとっても耳が痛いというか胸が痛いセリフも多いので、受け取る年齢によっては刺さりすぎるかも???なんて思ってたんですが、初めて観た『先輩』チームのみんなからは「自分たちもやりたい!」という評価を戴き、ご覧になったお客様たちからも高評価の嵐。 コンセプトとして先輩チームとは全く逆の「客振りしない」というテーマがあったので、マジでお客さん丸無視で4人の顔だけ見てやってたんですが、それでも受け入れられたのは嬉しかったですねー。 逆に丸無視して4人の世界を強烈に作り上げたことが、覗き見感だったり一緒に部屋にいる感覚を思わせたのかな、と今となっては思います。 我がことながら恐ろしい作品を作り上げたものだな、とw そしてなにより今回痛感したのは、同い年の仲間に恵まれたこと。 鈴木智晴、宮岡あづさ、伊智生士冶。 同じ学年、39歳のこの役者4人でしか出すことの出来ないなにかが、あの空間には詰まっていたと思います。 違う環境だけど同じような年月を生き、それぞれが手に入れて来たおもちゃ箱をひっくり返す感覚というか。 お客さんの感想で言い得て妙だなーと思ったのは『ジャズのセッション見てるみたい』というもの。 たしかに…ジャズも譜面はあるけどアドリブの演奏ターンもあるし、お芝居でそれをやるとああいうことになるのかなー?とは思います。 ただ実はめちゃめちゃ高度なことなんじゃ…?とも、ジャズだと言われて気づきましたw てか稽古してるときから終わってからもずーっと「いやー楽しい」「一生やってられるね」なんて全員が言ってる芝居初めてやりましたわw 兎にも角にも、あづささんが言い出さなきゃ実現してなかったであろう今回の芝居。 思えば…あの頃からあづささんは「絶対やる!」と心に決め、会うたびに「まじ兄4人芝居やろうよ」と声をかけ続けていたんだろうと思います…その証拠にこんな写真が。 ![]() あの日の4人。 それが一年ちょっとで… ![]() こうですよw 稽古始まってからどんだけ仲良くなったんだよ、ってくらい仲良くなりましたねー、やっぱ芝居ってすごい。 同じ時間を過ごすってすごい。 たかだか5年くらいの付き合いでも、19年間一緒にいる説得力出ちゃうんだから。 劇団冗談半分、20周年記念公演がどうなったのかはわかりませんが…彼らはこれからも、彼らなりのゆるーいペースで仲良くケンカしながら生きていくのでしょう。 そんな彼らを、また演じられる機会があったらいいな。 次は30周年記念公演あたりでお会いしましょうw ご来場頂いた方誠にありがとうございました。 スポンサーサイト
鈴木区
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