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マジP!

間島淳司の日常をプロデュース!!

疾走する一陣の風

夜。
とある世界の言い方をするなら「てっぺん」を回ろうかという時間帯。
一本の電話が携帯電話を鳴らす。


「あ、もしもし間島さんですか」

という切り出しで始まった電話の主は、山口清裕。
携帯電話に電話してきておいて「間島さんですか」もへったくれもないと思うのだが、世間ではこういう言い方が当たり前のように使われているものらしい。
固定電話の頃の名残なのだろう。
だいたいこの時間のキヨからの電話はろくなものではない。
「間島さんと飲みたい。間島さんちで」とか
「間島さんとモンハンがしたい。間島さんちで」とか。
語尾にだいたい「間島さんちで」が入るパターン…つまり遊び足りなくて帰りたくない、ということである。
この日の電話もその類のものなのかな、と警戒していたが、それは次に発せられた言葉であっさりと覆されることになる。

「セ◯ンで……メダルが売られるらしいです」

ちなみに「セ◯ン」とは某コンビニエンスストアの名前。
曰く、この日の夜、深夜0時から、数量限定で各店にメダルが入荷される、というのだ。
キヨは最後に「俺はこれから近隣に繰り出します!間島さんも気が向いたら出かけてみてください…俺の自転車が火を噴くぜ」と捨て台詞を残し電話を切った。
自転車が火を噴いた段階でおそらくそれは事故か、もしくは原付の過剰表現だと思うのだが、この場合問題はそこではない。
大事なのは『セ◯ンでメダルが売られる』ということ。
本来出掛けるつもりはなかったし、この言葉でわざわざ近隣を回る、というのも癪な気がしたが心の中に渦巻く欲望は止められない。
結局「俺はコンビニにお菓子を買いに行くんだ」という免罪符を心にかざして、夜の街に飛び出した。


時間は0時を少し過ぎた頃。
本当に販売が0時からだとすれば、そう遅くはない動き出しではある。
なんとはなしに向かった一番最寄りのコンビニ……メダルの姿はなし。
多少のがっかり感と悲しみ、それとほんの少しの悔しさを胸に抱えて一旦帰路に。
ちなみにお菓子は買っていない。

一度家に戻り、寒さ対策を施し今度は自転車にまたがる……長期戦の構えである。

そこからはまさに戦だった。
次に近いコンビニへ……なし。
その次に近いコンビニ……もなし。
記憶の迷路を辿り近隣のコンビニマップを必死に作り上げる。
そして回ること……8件。
結局どこのコンビニでもメダルの姿を確認することは出来なかった。
途中何度か鳴った携帯からもたらされた情報によれば
「入荷数が少なかったらしい」
「どこも販売開始して早々売り切れたらしい」
とのこと。

我々は……世間の欲望(グリード)を甘く見ていたのだ……結果的に我々はキヨヒロに…いや情報に踊らされたのだ。




その日都内複数の場所で夜中に


「クソがァァーーーーーーーーーー!!」


という叫びが反響したのはいうまでもない。








マジでメダル売ってねーw
サンタさんがいるならくれてもいいと思うんだ、こんなに切望してるんだからw
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